日本国宝展

去る11月30日、東京国立博物館で開催中の「日本国宝展」に行ってまいりました。
朝9時半に開館ですが、混雑を予想して8時40分頃に会場前に到着しました。それでも50分前なのに私の前には300名程度の先客が...
日本国宝展


天気も良く暖かいので、気持ちよく待てました。開館時間になった時には、私の後ろにはざっと1000人は列んでいたでしょうか。恐るべし国宝展!

長く開催している国宝展ですが、今日は都合の良いことに金印や5体の土偶が揃っています。なんとラッキー!
みんなが第一展示室の入口から入って行くのを尻目に、私は第二展示室から入ります。金印はそこに有りました。それでも金印の行列が既に出来て15分くらい列んだでしょうか。最初の印象は「小さっ!!」でした。もっと大きいのかと勝手に思っていましたが、一辺が3 cmありません。造作は緻密で繊細、非常に美しいものでした。これが約2000年も前のものとは思えません。新品の様に見えます。もう一度列んで見直してしまいました。

博物館の本館にいくと金印のレプリカも展示されていますが全くダメです。本物との差が有り過ぎて、見られたものではありませんでした。

次に第一会場の出口から入って、5体の土偶をなめるように観ます。幸いなことにまだ多くの来場者は第一会場の前半の混雑でここまで到達していませんでしたので、じっくり鑑賞出来ました。

縄文のビーナスと呼ばれる土偶は、お尻が張った安産祈願用と考えられているものです。とても有名な土偶ですが観るのは初めて。なんともキュートな土偶です。売店でもこの土偶のぬいぐるみが売られていましたね。(私は買ってないですよ)

縄文の女神と呼ばれる土偶は8頭身のようなプロポーションで、何かモダンな印象でした。これも女性の様ですが、すっぽんぽんじゃなくてちゃんと着衣がありますね。すらっと背筋ののびたビューティーな土偶でした。

仮面の女神と呼ばれる土偶は、逆三角形の仮面?(それともこれが顔?)と図太い脚が目を惹きます。着衣が有るようですが、へそや性器は見えています。大の字に広げた両手が大らかです。
この他、中空土偶と合掌土偶で5体です。

第二会場に引き返し、陶磁器をみます。数は少なくて4つしかありませんでした。国宝はもっと有るのですが、貸し出してもらえなかったのかなぁ?

玳玻天目茶碗は中国吉州窯のものです。建窯の天目茶碗とは全く違う形態です。器表面が鼈甲のような斑紋になっていることが名前の由来でしょう。内側は花の型紙を利用したと思われる花紋が列んでいて、とても繊細な仕上がりです。これでお抹茶を飲んでみたいものですね。

大井戸茶碗「喜左衛門」は何度か会っている茶碗です。力強い造形ですが、ダークサイドな凄みを持っているようにも思えます。逸話も多く、今では大徳寺に寄進されたままになっています。

志野茶碗「卯花墻」は、三井記念美術館にあるのでもう何度もお会いしている茶碗です。観る角度で様々に表情がかわるこのお茶碗、志野釉がたっぷり掛かり、鉄絵の具合もよいです。両手で持ってみたいと強く思うお茶碗ですね。

飛青磁花生も大阪の東洋陶磁美術館にあるので、数回お目にかかっています。場所が違うとまた違った見え方です。東洋陶磁美術館の方が見せ方が上手いなぁ。
中国龍泉窯のものですが、まあ素晴らしい釉色でまるで翡翠ですね。見とれてしまいます。鉄の飛び紋もいい塩梅で、これが青磁の中で一番好きかなぁ。

この後は、各会場を一通りささっと観ましたが、もう会場がダダ混みで歩くのも大変。作品は人に阻まれてほとんど見えず...まあ日本書紀や土佐日記などはちらっと文字が見えたからいいか。仏像の間は良かったですね。特に五重小塔は各寺の五重塔建立のひな形になったものと言われていて精巧に出来ています。素晴らしく保存状態が良く、とても奈良時代のものには見えません。

そんなこんなでヘロヘロになってきたので13時半頃に会場をあとにします。外には入場制限で入館出来ずに待っているお客さんが長蛇の列を成していて、何とも気の毒。改めて恐るべし国宝展!
日本国宝展



博物館の敷地や上野公園では銀杏などが色着き、歩くのも楽しい良い季節。ハラハラと散る銀杏の葉が哀愁を漂わせます。
日本国宝展



頭が疲れたので、糖分補給のために上野広小路の「うさぎや」に行き、出来立てのどら焼きを店先で食らいます。気がついたら私の周りにもどら焼きを食べている方がちらほらと。国宝展の帰りかなぁなんてね。相変わらず美味しく頂戴しました。
日本国宝展



多くの方々は、私が東京に食い倒れに行ったと思われているのですが、実は日本国宝展がメインイベントだったんですよ。
12月7日まで開催していますので、興味のある方は是非観に行ってくださいね。(あ、チケットは前もってwebなどで買っておくことをお勧めします)



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